- ホーム
- NEWS
- What's New
- シンガポールより:英語文化学科先輩から後輩のみなさまへ
What's New シンガポールより:英語文化学科先輩から後輩のみなさまへ
自分と向き合う旅
武庫川女子大学英米文学科卒 木村まさみさん
ーーーー
みなさんは今どんなことに興味がありますか。どんなことをしてみたいですか。私は大学を卒業してから色々なことがありましたが、振り返ってみると大学時代は勿論、卒業してからもあっという間に時間が過ぎたような気がします。
私が日本を飛び出したのは2006年、念願のイギリス大学院留学がきっかけでした。ここから自分と向き合う旅が始まりました。それから10年余りイギリス、アイルランド、シンガポールに移り住み、様々な人々に出会い、支えられてきました。大学を卒業したころは、10数年後にシンガポールに住んでいるなんて想像もしていませんでしたが、毎日充実した生活を送ることが出来ていることにとても感謝しています。自分と向き合う旅はまだ続きます。
その中で、母国語である日本語を教えることを通して気づいたこと、気づかされたことがあります。以前、アイルランド人の学生に「どうして日本語を勉強するのですか」と聞きました。返ってきた答えは「日本語はとても美しいからです」でした。その時私はハッとしました。私は自分の国をどれだけ意識しているのだろうか。自国についてどのようなことが語れるだろうか。自分の言葉や文化に誇りを持っているだろうか。などど自分に問いかけました。その学生のおかげで、以前よりより言葉を大切にすることが出来るようになった気がします。それからは、母国語と文化をさらに意識しながらも、他国の文化や宗教などに触れ、寛容になっていくことで視野が広がったような気がします。自分と向き合う旅はまだまだ続きます。
現在勤めているシンガポール日本人学校中学部では、未来のグローバル社会にどんどん飛び込み、世界の人々と繋がろうとする、豊かな国際感覚を持つ人材の育成に努めています。グローバル人材=堪能な英語話者ではありません。英語をツールとして使用しながら、何事にも前向きに好奇心を持ってチャレンジし続けていくことで、国際感覚が研ぎ澄まされ、人生が豊かになっていくのではないでしょうか。武庫川女子大学には国際交流やMFWIなどの留学制度が整っています。貴重な大学生活の中で、これは面白そうだ!と思うことがあれば、思い切って自分探しの冒険をされてみてはいかがでしょう。新しい世界を覗くこと、そして実際に体験することで、10年後、20年後に振り返った時、もしかしたらもっともっとカラフルな人生になっているかもしれません。自分と向き合う旅はどこに居てもさらに続きます。遠くからですが心から応援しています!
ーーーー
略歴
武庫川女子大学文学部英米文学科卒。兵庫県下の公立高等学校、中学講師を経て渡英。
ウォーリック大学大学院修士課程修了(MA in English Language Teaching for Specific Purposes, University of Warwick)。大阪樟蔭女子大学英語非常勤講師、アイルランド国立リムリック大学、シンガポール国立大学などで日本語教師として教鞭を執る。2009年日本国際交流基金ヨーロッパ日本語教師研修にてフランスアルザスへ派遣。2010年Erasmusヨーロッパ教員交換プログラムにてスウェーデン国立リンネ大学へ派遣。2013年シンガポール国立大学語学教育研究センターにてTeaching Excellence Award 2013, Centre for Language Studies, National University of Singapore 受賞。現職はシンガポール日本人学校中学部英語コーディネーターとして国際交流と英語教育に携わる。