Research Fields and Subjects 主な研究分野・科目

主な研究分野
英文学、アメリカ文学、英語学、英語教育
主な科目
英文学特論・演習、米文学特論・演習、英語学特論・演習、論文英語演習、特別演習(修士課程)、特殊演習(博士課程)など

Subjects 教員の研究分野

英文学分野 玉井 暲(教授)

私は、英文学の研究方法論に興味をもっています。文学作品をどのように読んでいけばよいのか、どのように読んだら研究したと言えるのか、院生の皆さんと議論しながら授業を進めています。専門領域は、イギリス世紀末文学を中心にして、その前後の時代、19世紀ヴィクトリア朝から20世紀現代の英文学です。小説、詩、劇、批評などジャンルは問いません。

英文学分野 前原 澄子(教授)

シェイクスピアをはじめとする英国ルネサンス期の演劇を研究対象としています。劇のテキストには、当時の観客に向けて発信された様々なメッセージが込められており、それらを読み解くために、同時代の出版物を紐解きながらテキストの行間を読み、当時の演劇がどのように上演され、受容されたのかを分析することに関心があります。

ウィリアム・フォークナーの作品を中心に研究を行っています。またその延長として、昨今のキャノンの見直しの流れから、黒人文学を始めとする現代のエスニック文学にも関心があります。主に、人種・ジェンダー・階級といった観点から考察しています。

英語学・英語教育分野 冨永 英夫(教授)

私は、英語の仕組みや働きを解明する英語学を中心に研究を行っています。特に、意味論や語用論といった分野に関心があります。また、英語教育にも興味があり、英語学の観点から、英語学習者の母語や文法意識が英語を学ぶ際にどのように影響するかに関して研究しています。

英語学・英語教育分野 田中 真由美(准教授)

小学校から大学までの英語教育における、リーディング、ライティング、スピーキング、リスニングの指導と評価、教科用図書等の教材、異文化理解に関する学術書や論文を読み、研究課題の設定、データの収集と分析、考察を行います。また、批判的応用言語学の観点から日本の英語教育の在り方についても考察します。

英語学・英語教育分野 Kevin Bartlett(准教授)

私は、応用言語学、第二言語習得法、日本学、社会文化人類学の分野も含めて研究をしています。これを基礎に応用言語学では特に外国語の習得方法、トランスランゲージング、外国語の教え方・学び方や、日本と海外の教育制度を研究対象としています。日本学や社会文化人類学の研究としては、伝統社会と現代社会の構造や日常生活における様々な問題を研究対象としています。特にジェンダーやセクシュアリティ、社会的少数派に関する現代社会の問題を、人類学を通して研究しています。

Research Topics 主な研究内容(最近の学位論文題目より)

博士論文

  • Life and Writing: An Intertextual Study of Mary Shelley’s Novels
  • Pretending, Self-Realisation, Connection: The World of Kazuo Ishiguro’s Novels
  • Career Design of Jane Austen’s Heroines
  • 英語総称文研究―意味論・語用論的考察―
  • 文学理論を用いた精読の試み―ヘンリー・ジェイムズとレイモンド・カーヴァーを中心に
  • Richard Wright’s Development as an African American Novelist: The Importance of His Experiences in France
  • The Fiction of “The Vision Within”: Walter Pater’s Imaginary Portraits
  • Ritual and Myth in Rosemary Sutcliff’s Novels: Under the Influence of The Golden Bough
  • ヴァージニア・ウルフの唯美主義:ウォルター・ペイターとロジャー・フライの唯美主義と比較して
  • Visual Techniques in Thomas Hardy’s Five Major Novels
  • ヴィクトリア朝小説における女性使用人の表象―ディケンズ、ブロンテ、ハーディー
  • Henry James and Imperialism in the Ghostly Tales

修士論文

  • Briony as a Writer: The Functions of Letters in Ian McEwan’s Atonement
  • The Possibilities of English Literature in English Learning
  • Perverseness in Edgar Allan Poe’s Fiction
  • Tony Webster as an Unreliable Narrator in Julian Barnes’s The Sense of an Ending
  • Aspects of Love: Oscar Wilde’s The Happy Prince and Other Tales
  • Writing as a Therapy: A Study of Mary Shelly’s The Last Man
  • A Study of Prepositions
  • A Study of Antonio’s Character in The Merchant of Venice
  • IMPOLITENESS IN ACTS THREATENING THE HEARER’S POSITIVE FACE IN ENGLISH DISCOURSE
  • English Education at Japanese Elementary School and Teacher Training: Trends in Asian Countries
  • The Role of Economics in Jane Eyre and Wuthering Heights
  • Transformations of Performing Techniques of Witches in Macbeth
  • Pursuit of Identity and Self-Deception: The World of Kazuo Ishiguro’s Nocturnes
  • An Analysis of Discourse Markers in Textbook Readings for Senior High School Students

Curriculum and Supervision カリキュラム、指導体制等

修士課程では、入学時に英文学、米文学、英語学の3分野の中から自分の専攻したい分野を選択することが求められます。1年次では、修士論文のテーマを模索しつつ、英文学、米文学、英語学、英語教育学、英米文化、Academic Writing 等の科目を幅広く履修して、英語の総合的実力を身につけることをめざします。2年次になると、自分の専門分野の研究を深めながら、修士論文の作成に専念します。

博士後期課程では、自分の専門分野の研究を深めながら、博士論文の作成をめざします。毎年少なくとも1篇の研究論文を作成し、また自分の所属する学会や研究会での研究発表に積極的に挑戦することが求められます。

大学院の研究機関誌としては、Profectus を毎年刊行しています。(Nos. 1-25)。また大学院生は、武庫川女子大学英文学会機関誌 Mukogawa Literary Review にも投稿することができます。

指導体制について

修士課程および博士後期課程の学生に対して指導教員は、毎学年、指導学生の修士論文および博士論文の作成についての個人指導を随時行います。学生の研究テーマの選択に関しては、本人の意向を尊重し、まったく自由です。
指導教員は、学生の研究上の関心に即して、懇切丁寧な研究指導を行うことをモットーにしています。

Voices 卒学生の声

英語学専攻 中学校教諭

大学院では、全ての授業が少人数制で、他大学からも講師を招き深く幅広い教育を受けることができます。文学、語学、英語教育と大きく3つの分野に分かれ、私は語学を専攻しました。そこで中世以降の代表的な聖書(ウィクリフ、ティンダル他)を比較し、法助動詞の法性についての研究をしました。大学院に入り、中英語も読み慣れていくうちに現代英語との関連性を再確認でき、理解が深まりました。 大学院で学んだ知識は、教員となった今非常に役立っています。用法の違い、綴り字の理由など、今まで「こういうものだから」と曖昧に説明されていたものを「このような理由だから」と説明できるようになったのは、大学院で学ばせていただいたお蔭です。今、自分で得た知識をこのように伝える場を持ち、研究や経験が活かされることに大いに喜びを感じています。

米文学専攻 本学助手

私の専攻はアメリカ文学で、黒人文学の研究に取り組みました。大学入学時は正直、英語が好きではありませんでしたが、MFWI留学が私の人生を大きく変えました。アメリカで、様々な人種が同じ空間で共存することや文化の違いなど、日本にはないことを体験し、卒業時には是非大学院でアメリカの文化を研究しようと思ったのが進学の動機です。

大学院では本学の教授に加え、他大学からお招きした著名な教授がさまざまな授業を開講してくださるので、文学以外の分野にも興味を持つことができ、楽しく勉学に励むことができました。特に認知言語学は、普段の生活でも考えさせられることが多くあります。また、教員との距離がとても近いのでいろいろな面から指導してくださり、今の自分があるのだと思います。現在は本学で学んだ6年間を活かし、本学科の助手として学生のみなさんを支える仕事をしています。