What's New 本学科教員が関わった書籍がSpringer Natureから出版されました

英語グローバル学科英語文化専攻の川西慧先生が関わった書籍 “English Language Teaching: Current Issues and Future Prospects I” がSpringer Natureから出版されました。

川西先生は、言語教育と生成AIをテーマに、 “Equity and Diversity in Writing: What Does AI Generated Normativity Mean for Second Language Writers?(文章における公平性と多様性:AIが生成する規範性は、英語を第二言語とする書き手にとって何を意味するのか?)”  という章を執筆しています。

本章ではまず、AIの学習に用いられる言語データが、いかにWEIRDな文化圏(Western・Educated・Industrialized・Rich・Democratic、すなわち欧米の先進国に多い、豊かで高学歴な人々を中心とした価値観が支配的な社会)の出版物に偏っているかが指摘されています。そして、このような偏りをもつデータに基づくAIを用いることで、書き手の成果物が、特定の文化圏において「正しい」とされる言語使用や知的生産の規範に強く影響されてしまう危険性が論じられています。

さらに本書は、多様性の観点から、現在のインターネット上の知識が、言語や価値観、知的生産のあり方の違いを十分に越えて集積されているわけではない点を、具体例を通して示しています。たとえば、新自由主義的な価値観に合致しないために記録されず残らない昔話や、津波の危険性を伝える地名が土地開発の過程で「〜ヶ丘」「〜台」といった「売れる」名称に書き換えられてしまう事例が挙げられます。

これらの議論を通して、特定の価値観に基づく断片的な知識をもとに作られたAIに、様々な社会課題の解決を安易に委ねることへの警鐘を鳴らしています。章をお読みになりたい方はこちらから
https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-981-95-6163-6_17