What's New 令和6年度 英文学会講演会を開催 ― 岩渕功一先生によるご講演

11月14日、武庫川女子大学英文学会主催の講演会が開催されました。今回は、シドニー工科大学の名誉客員教授であり、国際的に著名な学者である岩渕功一先生をお招きし、「越境・国際交流・多様性を学び直す<グローバル市民>への足がかりとして」という演題でご講演いただきました。


講演では、岩渕先生が18年以上にわたりオーストラリアに在住し、日豪の国際教育機関で研究・教鞭を執られた長年の経験を振り返りながら、「多様性」「越境」「国際化」を批判的に検討する意義について語られました。国境を越えて国際交流を行うときに「日本」という国の枠組みの排他性が見失われがちであること、そして、日本だけでなく世界中で奨励される「多様性の推進」をめぐるハッピートークが、実はマイノリティが差別・排除されている現状に蓋をしてしまっていることについて指摘されました。そのうえで、差異の平等な包含を目指すために、法整備を促すとともに、私たち一人ひとりが他者の苦しみや差別を自分ごととして捉える「社会的想像力」を持つことが大切だと強調されました。

講演中、参加した学生たちは熱心にメモを取りながら岩渕先生のお話に聞き入っていました。特に、2年生前期からアメリカ分校への留学を予定している英語文化専攻の1年生にとっては、新たな視点を得る貴重な機会となりました。
(文責・ウィックストラム由有夏)